・職場に緊張感を持たせるためには厳しい指導も必要だ。
・少しのミスが重大な事故につながる職場だから厳しい指導は必要だ。
・自分は上司からの厳しい指導によって育ってきたから部下に同じ指導をして問題ない。
・お客様のためにも従業員を厳しく指導しなければならない。

これらのことは通常あることです。
しかし、厳しい指導を放置していると、パワハラとして従業員から訴えられることがあるかもしれません。
部下の指導を行う場合であっても、社会通念上相当な範囲を超えている場合や業務の適正な範囲を超えている場合は、パワハラに該当します。

令和2年4月1日からはパワハラ対策法が施行される予定です。

中小企業は一部猶予がありますが、これからは会社がパワハラを積極的に防止していく時代です。
パワハラ対策法では、労働者の相談に応じ、パワハラに対して適切に対応するために必要な体制の整備等を行う義務を事業主に課しています。
なので、今後、上司の指導が厳しいという申告を従業員から受けた場合、会社がパワハラの調査を行うなど適切な対処を取らなくてはなりません。
なお、事業者が必要な措置を講じない場合は勧告、公表などがされるおそれがあります。

これからは、会社がパワハラ予防のために取組みを行う必要があります。
会社が組織としてパワハラを許さないという姿勢を明確にし、パワハラ関係規定の就業規則等を整備することが必要です。
また、従業員一人一人がパワハラの意義を理解することも必要です。
自分が厳しく育てられたという経験がある方もいらっしゃると思われますが、時代は変わりました。
パワハラの定義やどのような行為が禁止されるかなど、従業員一人一人にパワハラ防止について必要な知識を周知させる必要があります。

そのためには、従業員に対するパワハラに関する研修や勉強会が必要な場合もあります。
また、パワハラ防止を行うためには、従業員がパワハラについて会社に相談しやすい体制を構築する必要があります。
そのためには、相談窓口を整備することが必要です。
場合によっては会社外の相談窓口を設けることも検討すべきです。

仮に、パワハラの発生が疑われる場合や、従業員から明らかなパワハラ行為の申告を受けた場合は、会社が迅速に対応する必要があります。

まず、会社が事実関係について十分調査する必要があります。
調査が不十分なまま被害を放置したり、調査が不十分なまま加害労働者に処分を下すと余計に問題が大きくなる場合があります。

また、調査方法も十分配慮する必要があります。
配慮不足な調査を行ったことで加害労働者、被害労働者の人間関係をさらに悪化させ、職場の環境をさらに悪くしてしまうことは本末転倒です。

さらに、パワハラが確認された場合は、被害労働者に対しても必要な措置を講じなければなりませんし、加害労働者には処分等を検討しなければなりません。
また、再発防止措置も必要ですし、パワハラとまで認定できない場合にも再発の取組みは必要でしょう。

以上、パワハラ防止は今後の企業課題となっています。
当事務所では、パワハラ問題について以下のような取り組みを行っています。

 

1 パワハラ防止

当事務所では、パワハラ防止のため

①就業規則や関係規定の整備

②従業員への研修を行っております。

就業規則は、職場におけるパワハラの定義、禁止されるパワハラ行為の特定、パワハラを行った場合の懲戒処分、パワハラ相談の方法、被害申告を行ったことで不利益処分を行わないなどの対応方針、申告があった場合に調査に協力する義務の規定の整備、再発防止に関する規定などを整備します。

従業員への研修は、パワハラの意義や禁止される行為、パワハラを行った場合の懲戒処分、パワハラを受けた場合の相談方法などを従業員に周知させます。

要は、従業員に分かりやすいルールを整備し、研修によって周知させることでパワハラ防止に取り組んでおります。

 

2 相談窓口

当事務所は、当事務所を外部の相談窓口とすることを承っております。
外部相談窓口として、当事務所をパワハラ被害申告窓口とすることが可能です。

当事務所が被害申告を受けた場合は、被害労働者のプライバシーに配慮し、会社に報告を行い、当該被害申告についての適切な対応方法をアドバイス致します。

 

3 調査手続きの代行

従業員との今後の人間関係などで、会社が直接調査を行うことが困難な場合などは、当事務所が代理で調査を行うことが可能です。

 

4 再発防止に関する措置

当事務所では、パワハラが発生した場合や被害申告が行われた場合など、今後の再発防止に向けての防止対策のご相談も承っております。
加害労働者に対する処分や就業規則の整備など、適切な再発防止措置を検討させていただきます。
なお、虚偽や過大な被害申告が行われた場合は問題従業員に対する対応も検討すべきです。

 


以上、当事務所ではパワハラに関する法的問題についてご相談をお受けしております。
パワハラに関する法的問題については是非当事務所にご相談ください。

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